eremo phila nivea
(砂漠に咲く花)If you can dream it, you can do it.
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「アニ、落ちて」
不意に壁に取り残された指先、貴女の冷たい声。
私は世界の隙間にいたはずだった。
解らない何かに投げ出されて、何もかも中途半端な私は自分の居場所さえもない。
こんな私を誰が、褒めてくれる?
落ちていく重い体を私は止めなかった。
帰りたかった、でも、きっと帰れない。
「アニ、アニ・・・?」
誰かが私の肩を揺さぶった。半分眠った体を起こし、私は声を探す。
「良かった・・・覚めないかと思った」
表情の少ない顔が少しだけ柔らかくなる。 ミカサだった。
「・・・・ここは?」心臓が震え、私は目を大きくする。
「え・・・ベッドで頭でも打った?」心配そうに私の顔を覗き込む彼女の事をまっすぐには見れなかった。
ミカサが私の肩にそっと触れる。体が反射的に縮むのを感じた。
「ミ、ミカサ・・・」何故か声が震える。
「何?」
「ここは・・どこ?」辺りを見渡すと私が知っている物は何一つ、存在しなかった。
「本当に・・・解らない?」彼女の詰問に胸が詰まる。
「わ、わからない・・・」
ミカサが笑う。
「なら、何も知らなくていい。今だけは・・」
また、彼女は笑う。私は意味が解らず、黙ってしまう。
彼女の目を見れば見るほど私は何かを捨ててきてしまったように思えた。
約束、なんてしなければよかった。
「ねぇ、今日は何の日?」私の質問にミカサは驚いた顔をする。
「どうして?」
「あんたがいつもよりお喋りだから」
「ああ、そんな事」ミカサはつまらなそうに返し、ベッドの上に座る。
「はぁ・・・」
「どうしたの?」
「別に」
「何、教えて?」ミカサが距離を詰め、私の手首を強く掴む。
「なっ・・・は、放して」
「嫌だと、言ったら?」傲慢な笑顔を私に向ける。体の奥がざわつく。
「アニ、聞いて?皆、私が貴女の全てを聞くことを望んでいる。でも、正直、そんな事はどうだっていい。今、この瞬間がとても大事」
ミカサの目はもう笑ってはいなかった。黒い目がより深くなる。
私は唾を飲むことさえも忘れてしまっていた。頭痛がする。
「私が望むのは貴女が何も知らずに・・・生きること。そうすれば、ずっと一緒」
そう言って彼女は私の体をゆっくり押し倒すのだった。
嗚呼、ここはどこなんだろう。
もはや、それさえもどうだっていい。
貴女がそれを望むのなら、私はそれでいい。
貴女の隣に・・・今度はいられるのだろうか?
Fin
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
あれ?なんか、ダークだww
しかも、珍しく原作を意識しながらの逸脱wwwww
ちなみにアンケートを意識したSSではなく、たまたま書いたやつ←
どーでしょうか^^?
さとーのブログはファンとかいないんでふつーにリクとかすれば通りますから、気軽にリクどうぞ☆
PR