eremo phila nivea
(砂漠に咲く花)If you can dream it, you can do it.
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何度も突き刺さる杭の動きに体は不本意に動かされ、その穴からはドロリと流れ出る、濁った赤。
鉄錆のような匂いに顔をしかめ、口の端の血をめんどくさそうに拭う。
目の前にいる痩せた男は「死なないのか!?」とそればかりを繰り返し、怯えた目をきょろきょろと動かす。
ああ・・・めんどくさい。もう、茶番に付き合うのはよそうか。これ以上、服を汚すのは愚かしい。
胸に杭が刺さったまま、ゆっくりと立ち上がる。男は震え、体を猫のように縮こませ、目を見開いた。
口は大げさに震え、額からは汗が見える。
「なぁ、今、お前は何をしたい?」
ゆっくりと問い掛け、口の端をあげて笑う、そして、男の目の前ですぐさま、刺さっている杭を左手で強引に抜く。
吹き出す血が男にかかり、男は叫び声を上げながら、尻餅をついた。
「おいおい、ビビりすきだろ?」
杭を持つ手が汚れ、嫌な臭いがする。
男は足をばたつかせながら、後ろへと進む。
「おい、逃げるなよ・・?」
逃げる男の肩を掴もうと右手を下にした瞬間、体がびくりと跳ね上がり、煙が立ち上がった。
見ると目の前の男は震える手で拳銃を構え、唇を噛みしめながら、もう一度、引き金を引こうとしている。
大きく空いた穴の近くに小さな穴が一つ、そこから、ぽたぽたと血が出てきている。
服がまた、破れてしまった。
杭を持つ手がわなわなと震え、こめかみにはうっすらと血管が浮き出る。
「今度は頭をぶち貫いてやるっ!!!」
震えた声で男は言ったが、その瞬間、目の前には誰もいなかった。
むしろ、さっきまで握っていたであろう杭が弧を描くように静かに床を回っていた。
怯えて振り返った男の目が人影を捉えた時には、鼓動が早くなった心臓に誰かの手が触れていた。
びくんと二度、痙攣し、穴の開いた背中から血が噴き出て、手足はモノのように冷たくなっていく。
「おーい、生きてる?いや・・・生きてた?」
見えなくなっていく視界の中で、男は楽しそうに笑う者を見た。
手がポンプを掴む度に反射的に動く身体、止まらない赤。
そして、ゴムボールを握り潰すかのような力で生ぬるいそれをぐちゃりと潰し、男は乱暴に引き抜いた。
力の抜けた人形は支えを無くし、どさりと床に沈む。
ぼろを纏った男は手から滴り落ちる滴を愛おしそうに舌ですくった。
Fin
久々のSS(笑) 一応、綺麗に描いたつもり^^←
鉄錆のような匂いに顔をしかめ、口の端の血をめんどくさそうに拭う。
目の前にいる痩せた男は「死なないのか!?」とそればかりを繰り返し、怯えた目をきょろきょろと動かす。
ああ・・・めんどくさい。もう、茶番に付き合うのはよそうか。これ以上、服を汚すのは愚かしい。
胸に杭が刺さったまま、ゆっくりと立ち上がる。男は震え、体を猫のように縮こませ、目を見開いた。
口は大げさに震え、額からは汗が見える。
「なぁ、今、お前は何をしたい?」
ゆっくりと問い掛け、口の端をあげて笑う、そして、男の目の前ですぐさま、刺さっている杭を左手で強引に抜く。
吹き出す血が男にかかり、男は叫び声を上げながら、尻餅をついた。
「おいおい、ビビりすきだろ?」
杭を持つ手が汚れ、嫌な臭いがする。
男は足をばたつかせながら、後ろへと進む。
「おい、逃げるなよ・・?」
逃げる男の肩を掴もうと右手を下にした瞬間、体がびくりと跳ね上がり、煙が立ち上がった。
見ると目の前の男は震える手で拳銃を構え、唇を噛みしめながら、もう一度、引き金を引こうとしている。
大きく空いた穴の近くに小さな穴が一つ、そこから、ぽたぽたと血が出てきている。
服がまた、破れてしまった。
杭を持つ手がわなわなと震え、こめかみにはうっすらと血管が浮き出る。
「今度は頭をぶち貫いてやるっ!!!」
震えた声で男は言ったが、その瞬間、目の前には誰もいなかった。
むしろ、さっきまで握っていたであろう杭が弧を描くように静かに床を回っていた。
怯えて振り返った男の目が人影を捉えた時には、鼓動が早くなった心臓に誰かの手が触れていた。
びくんと二度、痙攣し、穴の開いた背中から血が噴き出て、手足はモノのように冷たくなっていく。
「おーい、生きてる?いや・・・生きてた?」
見えなくなっていく視界の中で、男は楽しそうに笑う者を見た。
手がポンプを掴む度に反射的に動く身体、止まらない赤。
そして、ゴムボールを握り潰すかのような力で生ぬるいそれをぐちゃりと潰し、男は乱暴に引き抜いた。
力の抜けた人形は支えを無くし、どさりと床に沈む。
ぼろを纏った男は手から滴り落ちる滴を愛おしそうに舌ですくった。
Fin
久々のSS(笑) 一応、綺麗に描いたつもり^^←
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