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eremo phila nivea

(砂漠に咲く花)If you can dream it, you can do it.

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ミカアニSS 現代パロ 第4弾す^^


「埋まらないピースはなんちゃか」→「貴女に苛立つ私は誰?」→「獲物のように貴女を見るの」の続きになります!!


正直ながら見切り発車的なSSですが、今まで書いてきた進撃SSの中では一番のようなので頑張って書いております!!

そして、他のSS達も佐藤が毎回、頭を悩ませて時間をかけて書いておりますのでよろしければそちらもお時間があればどうぞなのです☆

またまた、ミカサのターン!!!

拍手[8回]


勢いよく、席を立つ瞬間に電話が鳴った。

不意な事態に私は面食らった。

鳴りやまない電話、こんな事をしている間にも彼女は消えてしまっていた。

私はうろたえながら周りを見ると皆、忙しそうに知らない誰かと電話していた。

そうか、これは行くなという事かと思うしかなくて私はため息を一つ。

そして、私はすとんと席に着き、シャープペンを手に取る。

もう、いいんだ。 これでいいと思った。

受話器に手を伸ばし掴みかけた手がぴたりと止まる。

コール音が止まったのだ。

「お電話お待たせいたしました、営業のユミルです」

驚いてそちらを見ればユミルとすぐに目が合う。

その目はいつものようにめんどくさそうだったが、「あっち、行けよ」という風に私に顎を突き出した。

そのまま、ユミルは目を細めて意地悪く笑う。

驚き、止まっている私にユミルがまた「行けよ」と合図をする。

私はペンを机に置き、飛び出すように部屋を出た。

ふと、ベルトルトが私の方を見た気がした。

短い廊下を歩き、倉庫へと続くドアの前に綺麗に並べられた青いスリッパがあった。

それを見て解らないけど喉が鳴った。

同時に行きたくないと思った。

少し重いドアを開け、黒いスリッパを隣に置き外用の汚いサンダルに履き替えた私。

二階の電気の様子から彼女が二階で在庫を確認しているのが理解できた。

頬が熱い、こんな事をして私は何がしたいのだろうかと思った。

むしろ、今から何をするためにここにいるのかも曖昧で危うい。

はは、馬鹿みたいだ、言う言葉も何も用意してないくせに。

それでも、私はゆっくりと上へ移動していく。

ゆらりと人の姿を探す私はまるで餓えた獣だった。

ねぇ、何処にいるの?

どうして、私から逃げてしまうの?

脳内が鈍く腐っていく。

「ミカサ・・・・一応、聞いておくけどあんたが探しているのは私?」

びくりとした。

目の前には両手を組んで私を見ている小柄な彼女がいた。

心が震える。 手には排水用に使う部材が二個、握られていた。

「・・・・そうだけど」

目を伏せる。 こんなにも誰かが怖いだなんて感情、初めてに近かった。

「そう・・・・なら、何の用?」

降りかかってくる言葉は冷たく棘があった。

突き刺さった痛みが心を裂いていく。

痛くて何も言えなかった。 

苦しくて重い。

「ミカサ、私はあんたと違って忙しいんだ・・・・用が無いのなら、事務所で電話でも取ってれば?」

くるりと背を向け、すたすたと歩いていく。

寡黙な私にうんざりして作業に戻ろうとしていた。

私は両手を握りしめていた。

違う、こんな事したいわけじゃないのに。

じわりと何かが落ちてきた。 

待って・・・・このままじゃ、貴女に何も伝えることが出来ない。

このままじゃ・・・駄目だから・・・・

「ア・・・・・アニ・・・・」

初めて呼んだ声は自分でも驚くくらい弱々しく擦れていた。

顔を上げるとアニは止まり、困ったような驚いているような表情で私を見ている。

私はその顔に見とれていた。

「人の事呼んでおいて何も言わないなんて、ミカサ、あんたどうかしてるよ・・・」

目を伏せた彼女の頬が赤いのは気のせいだろうか?

「アニ・・・・・・」

「だから・・・・な・・・・」

アニが最後まで言葉を続けられなかったのはきっと、私のせい。

気が付けば、私はアニを抱きしめていた。

小さなアニがすぽりと私の腕の中に納まり、予想外の出来事に体を硬直させている。

嗚呼、愛おしくてそのままどうにかしてしまいそうになった。

心臓が煩くておかしい。

まるで、体の中で別の生き物が暴れまわっている感覚。

「アニ・・・・私は・・・・・」

そのまま、あの言葉を言おうとした私を現実に戻したのは何かが落ちた音だった。

「あっ・・・・・・」

私とアニが振り向くと受話器の子機が地面に転がり、保留音がプープー鳴っていた。

それを死んだ目で見ている人がいた。

「べ・・・ベルトルト?」

アニが私の中で言った。

彼はアニに呼ばれハッとしたように目を泳がせ、早口で言う。

顔は真っ赤だった。

「ご、ごめん・・・・ミ、ミカサにお客さんから電話があって・・・い、急ぎってことだから・・・も、持ってきちゃった・・・ご、ごめん・・・お、お客さんにはすぐにミカサから電話するって伝えるよ・・・・」


落ちた子機を二度、拾いそこねてベルトルトはふらりと階段を下りて行った。

残された私たちはお互いの顔を見合わせた後、アニが逃れるように私の腕から出ていく。

「待って・・・・アニ」

離したく無かった。

「何?」

「・・・・・まだ、話は終わっていない。今日、私の家に来て欲しい・・・・お願いだから」

アニは私の目を困ったように見つめ、「解った、いいよ・・・」と小さく呟いた。

                                                                                                              
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                                Fin
 

どーでしょうかっ!!!


良い流れになってきた感じがします(笑)



次回は多分、アニのターンかなぁ^^


読んでいただき、ありがとうございます!!!












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1988/12/30
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