eremo phila nivea
(砂漠に咲く花)If you can dream it, you can do it.
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喉の奥が重くて熱い。
そんな事を私は思う。
シャワーの水圧を感じながら私は白い壁をただ、見つめている。
どうして、こんなにも体が重いの・・・・
止まらない水滴が頭から頬へ頬から体へと落ちて流れていく。
もう、こんな事している時間は無いのにと苦笑する。
そして、私の体もこんな風に誰にも知られずに消えていけばいいのにと思った。
なんて感傷的なのだろう。 でも、一方でこれは本当の事だと思う。
私はこの世界に必要なのだろうか。
はっ・・・くだらない。どうして・・・こんな・・・
嗚呼、今日は最低な日だと思う。
飲めないのに飲み会なんかに参加したせいで、こんなにも自らを傷つけ、殺そうとしている。
彼女を掴んだ手がまだ、ビリビリと熱を持っている。
熱くて涙が出そうになる。
「早く・・・体を洗って・・・出なくてはいけない・・・」
クラクラする。きっとこれは自己暗示。
苦しくて重くて、仕方なかった・・・・珍しい事なんてしなきゃよかったんだ。
私はその場でしゃがみ込んでしまった。
それでも、私を救ってくれるヒトはどこにもいない。
「どうして・・・どうして・・・・・・」
きっとこれからも、そんな風に思うと嗚咽が出た。
貴女以上にこの胸を焦がすヒトは存在しないのに。
上手くなんて今までいったことなんて無かったけど・・・・
ねぇ、貴女はどこに向かって歩いているの?
どうすれば追いつけるの?
「ミカサ、おっはよー!」
出勤すると目の下にくまがやや見える所長がそこにいた。
タイムカードを押しながら私は「おはようございます」と静かに返す。
寝不足で体が怠かった。
のそのそと自分の席に着くと金髪の彼女と目が合った。
いつもは笑い返す余裕があるのに私はすぐに視線を逸らしまう、何だが心が重かった。
体がビクリとする。
嗚呼、こんなの・・ただの弱虫じゃないか。
拒絶されない自信なんて最初から無かったのに。
彼女なら着いてきてくれると思った? 馬鹿じゃない、そんな確証無かった。
私は考える事をやめ、パソコンを開き、明日提出する書類の続きをすることだけに専念した。
だけど、見ないようにする事は難しくて私は時計を見る振りをして何度も彼女を見てしまう。
見ないなんて無理だった。
そして、見る度に心臓は飛び上がった。
でも、作業している彼女の表情はどこか悲しげで私は「大丈夫?」と声を掛けてしまいそうになる。
言ったらきっと、それは私の見間違いと冷たい顔で言うんだろうか。
だから、私は喉の奥でその言葉を殺す。
本当は今すぐにでも貴女の全てを温めたいのに。
何を思い何を感じているのか知りたくて無意識に貴女を見ている私がいるって解ってる?
本当は誰とも話してなんか、欲しくないんだ。
貴女は私だけを見て私の名を呼ぶだけでいいんだと言えたら、きっと・・・・
嗚呼、いつからだろう、こんなにも貴女を想っているのは。
そして、どうして貴女は私を見てくれないんだろう。
嗚呼、もうどうしようもない。
ココロが焼き焦げ、尖っていくのを感じ、私は苦しげに笑う。
狂ってしまいそうだった。
そんな世界、壊してしまいたいと願いそうになる私の目に彼女が視界から消えていくのがふと、見えた。
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Fin
つ、続きます!!!
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