eremo phila nivea
(砂漠に咲く花)If you can dream it, you can do it.
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空を見上げれば星が輝いていて、私はアナタと眺めている。
そこには言葉なんてなくて。でも、ちゃんと解ってる。
嗚呼、知りたいの。アナタの中を。
ねぇ、何を思ってるの?
私はこの世界に産み落とされただけ。
きっと、私の代わりなんてどこにだっている。
だから、そんな目で私を見ないで、熱くて死んでしまいそう。
「アニ、これちょっといい?」
私はちょうど、机でさっきコピーした書類に目を通していた。
「・・・・いいですけど、何ですか?」
視線の先には笑顔の所長が立っている。一瞬、寒気がする。
「ふっふー。見て見て、これ可愛くない?」所長が私に何かを手渡した。
眼鏡の奥の瞳がきらきらと輝いている。上司なのに子どもみたいに思えた。
反射的に手を出す。
「あの・・・これ?」見れば、飴で作られたブーケがのっかっている。
困ったように所長を見ていると視界の先に誰かが映った。
そいつは私と所長の間にさりげなく入っていく。
ミカサだった。
私はあの件以来、ミカサの事がより苦手になっていた。
普段、何かを話すわけでも一緒にどこかに行くわけでもない。
むしろ、仲が悪いくらいだ。
ただ、時々視線が交わる時がある。嫌な事に。
しかも、視線が合う度に優しい声で「どうしたの?」と彼女は問う。
そう言われると私は「別に、なんでもない」と返すしかないのだ。
今では、ユミルとライナーに「お前ら、仲いいな」とからかわれる始末。
解せない。
というか、そんな関わり合いさえも私には面倒だった。
誰にも構われずに生きたいのに。誰も私をほっといてくれない。
私はため息を吐く。
所長はミカサの登場に目を見開きつつもすぐに「ミカサの分もあるよ」と笑う。
ミカサは私をじっと見つめ、つまらなそうに「なら、いいです」と去っていく。
私はミカサの行動に苛立ちながらもその真っ直ぐな背中を追いかけていた。
そんな事をしているうちにいつの間にかお昼になってしまっていた。
席でお弁当を黙々と食べているといったん、お昼に出たユミルが戻ってきた。
見れば、ユミルのスーツが雨で濃くなっている。
咄嗟に時計を見る、もうそんな時間だろうか。
「はぁ・・・あっちいなぁ、雨なのに。あっ、そうそう。アニ・・・・」
ユミルは私の肩に腕を置き、耳元にそっち近づく。
甘い声で名前を呼ばれ、私は肩を強張らせる。
「なっ、何?」
ユミルは私の様子を可笑しげに見ている。所謂、遊ばれてるってやつだろう。
「んー・・・モテモテだなと思って」
何を言っているのだろうか、私は多分そんな顔をしていたのかユミルは顔を崩して下品に笑う。
私は眉をひそめ、彼女を見る。
時計は12時50分を示していた。
「・・・・ごめん、まだお昼だから」
私は彼女との会話を終了させたくてわざと冷たく言い放った。
「あー・・・?」
ユミルは自らの腕時計を見て私のお弁当がまだ残っていることを目で確認した。
そして、両手を大きく広げた。
「嗚呼、からかって悪かった。あと、十分もねぇから早く食べちまいな」
「そうするよ・・・」
私は視線をユミルから離し、また食べ始める。お弁当の中にはご飯とチーズハンバーグが残っている。
これを食べずにお昼は終われない。
そんな事を思いながらふと、気付く。
触れられたせいか肩が少しひんやりしている事を。
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パートⅡへGOGOカレー!!!
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