eremo phila nivea
(砂漠に咲く花)If you can dream it, you can do it.
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「埋まらないピースはなんちゃか」の続きからの「貴女に苛立つ私は誰?」の続きになります^^
読んでいない方はミカアニSSの埋まらないピースはなんちゃかを読み、分割されてる子達を読んでこっちにたどり着いてください☆
「あっ、アニ。今日さ、夜空いてる?」
ご飯をほおばった私に去り際のユミルが笑いかける。
喋れない私は頷くことしか出来ない。
今日、何かあるんだろうか。
もぐもぐと咀嚼しながらも考えていると「なら、お前もこいよ。今日の飲み会に」
はい?なんの話?
私は首を傾げるとユミルが肩を揺らす。
「お前、ハムスターみたいだな。で・・・今日な、ハンジ氏が営業所の奴らを飲みに連れて行ってくれるらしいんだよ。タダだしお前もこいよな」
ユミルはそう言い、私の頭を二回、ぽんぽんと叩いた。
気が付けば、あと1分でお昼が終わる時間だった。
お弁当には半分かじったチーズハンバーグが残っていた。
「じゃあ、乾杯と行こうか!!んー・・・ベルトルト、乾杯の音頭を!!」
ビールジョッキ片手にハンジ所長が嬉しそうに目の前の席のベルトルトに絡んでいる。
困惑しているベルトルトの隣にゴリラ顔のライナー、ミカサ。
所長側に私、ユミルが座っている。
所長の絡みに耳まで真っ赤にしているベルトルトがごにょごにょと何かを呟き、ジョッキを空へ上げる。
「おっ、乾杯ってか?」ユミルが意地悪く笑う。
「おい、ユミル。あんまり、からかうなよ。可哀相じゃないか」ライナーがにやつく。
所長は皆のやり取りを楽しげに眺めている。
そんな中、ベルトルトの腕がぷるぷると震えだしてきた。
「ラ、ライナー・・・・」情けない声を出す。
ふぅ、何やってんだが。
見かねた私は小さな声で「乾杯」と言い、ベルトルトのジョッキを鳴らす。
ベルトルトは私を意外そうに見つめながらもすぐに嬉しそうな顔をする。
ライナーがベルトルトの肩を叩くと彼は耳をまた赤くした。
ミカサがその様子を見ている。
そして、ユミルが私に続き、皆ジョッキを鳴らす。
思えば今日は火曜日なのに皆、お酒を飲みまくっていた。
二人でトイレに向かう。その間、すたすたと歩くユミルに比べ私はふわふわしていた。
「おい、大丈夫か?そこ、階段になってるから転ぶなよ」
「多分・・・・」
「は?ちっ、仕方ねぇやつ」ユミルが私の前にしゃがむ。
え?何、してるんだろう。回転力を失った頭では何も解らなかった。
私はアルコールで頬を赤くし、茫然と立ち尽くしたまま。
「嗚呼、もう。おんぶだよ、おんぶ!」
ユミルは少し怒鳴るように言う。
そっか、おんぶかぁ。私は素直に彼女の背中に乗る。
「あ・・・・ユミル、温かい。けど、煙草臭い・・・」
「あ?馬鹿。そりゃあ、私だって人間だからな。温かみくらいはあるさ。てか、煙草臭いとかほっとけ」立ち上がったユミルの髪からはシャンプーと煙草が混じったような香りがした。
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次で分割ラストです!!!
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